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粗悪学術誌(ハゲタカジャーナル)に関する注意喚起

一部のオープンアクセス雑誌には、査読誌であることをうたいながら、APC(Article Processing Charge, 論文掲載料)を搾取することのみを目的とする粗悪学術誌 = Predatory journal / ハゲタカジャーナルが存在します。

近年、研究成果の公開では、著者がAPCを支払ってオープンアクセスにする、ゴールドオープンアクセスのビジネスモデルが普及しています。粗悪学術誌を発行する出版社はこれを悪用し、著者を騙して金儲けの手段としているのです。

たとえ質の高い論文を投稿したとしても、粗悪学術誌に掲載されたものであることで、正当な評価がなされない場合もあります。
このリスクは、一時的なものにとどまりません。研究者間で品質が疑問視されているジャーナルに投稿・編集等というかたちで関わったという事実は、研究者のキャリアに禍根として残り続けます。さらには、研究業績の信頼性への疑念を長期間にわたって引き起こし続け、将来のキャリアが損なわれる可能性もあります。

粗悪学術誌の手口

  • タイトルやロゴを著名な出版社に酷似させている
  • 著名な研究者の名前を騙って論文執筆依頼をする
  • 投稿を勧誘するメールを何度も送り付ける
  • APCが異常に高額である、あるいは事前には不明瞭である
  • 迅速な査読と受理を約束している

(参考)

  • Kearney MH, INANE Predatory Publishing Practices Collaborative. Predatory publishing: what authors need to know. Res Nurs Health. 2015, 38(1), p1-3. DOI: 10.1002/nur.21640 (accessed 2021-01-06)

粗悪学術誌へ投稿することにより生じるリスク

粗悪学術誌に投稿することにより、一般的に以下のようなリスクが生じるといわれています。

  • 研究成果の妥当性への疑義が生じる
  • 研究者個人や所属大学の社会的な評判が低下する
  • APC支払いのトラブルに巻き込まれる恐れがある
  • 論文の撤回ができず、再投稿ができなくなる
  • (Webサイトの閉鎖等により)論文へのアクセスが保証されなくなる

(参考)

  • Caplan, Arthur L. The Problem of Publication-Pollution Denialism. Mayo Clinic Proceedings. 2015, 90(5), p.565-566. DOI: 10.1016/j.mayocp.2015.02.017 (accessed 2022-01-06)
  • 栗山 正光. ハゲタカオープンアクセス出版社への警戒. 情報管理. 2015, 58(2), p.92-99. DOI: 10.1241/johokanri.58.92 (accessed 2022-01-06)

粗悪学術誌への投稿を防ぐための情報源

粗悪学術誌は、今でも世界中で創刊されています。
ネット上には様々なホワイトリスト、ブラックリストがありますが、それらは更新が追いついていないのも現状であり、「これを見れば安心」と言えるものは存在しません。
下記に参考となる情報源を示しますが、投稿先の決定においてはどれかのリストだけを信頼するのではなく、複数の情報源を参照して慎重に検討してください。

Think. Check. Submit.

(日本語版:Japanese | Think. Check. Submit.
信頼できるジャーナルや出版社の確認を支援するリソースを紹介しています。

(確認項目の一例 : Think. Check. Submit.をもとに作成)
【ジャーナル・出版社について】
□あなたや同僚は、そのジャーナルについて知っていますか。
□そのジャーナルに投稿された論文を、以前読んだことはありますか。
□そのジャーナルでは最新の論文を容易に見つけることができますか。
□その出版社の連絡先はすぐに分かりますか。
□そのジャーナルのウェブサイトには、出版社名が明記されていますか。
□その出版社は、出版・研究業界の団体やイニシアチブに参加していますか。
【査読】
□そのジャーナルは、どのような査読を行うか明白ですか。
□論文はあなたの選んだサービスの中で、きちんと索引されていますか。
【請求】
□請求内容は明瞭ですか。そのジャーナルのサイトには、手数料の内容といつ請求されるかきちんと書かれていますか。
【編集委員会】
□編集委員会は、設置されていますか。- 編集委員について、聞いたことがありますか。
□編集委員は、そのジャーナルについて自身のウェブサイトに掲載していますか。

DOAJ

厳格な審査を通過したオープンアクセス誌に関する情報を登載したオンライン・ディレクトリ・サービスです。
→「その出版社は、出版・研究業界の団体やイニシアチブに参加していますか。」

Journal Citation Reports

世界の主要雑誌を評価するためのツールで、インパクトファクターなどの値を提供しています。
マニュアル : インパクトファクターの調べ方 (Clarivate Analytics作成)
→あなたや同僚は、そのジャーナルについて知っていますか。

関連:岡山大学研究推進機構|論文指標について(学内限定)

SciRev

研究者によって立ち上げられた、査読プロセスの共有と透明化を目指したWebサイトです。
論文を投稿してから受理/不受理となるまでの各プロセスの日数が掲載されており、分野の中での査読の平均日数や、同分野のものと比べての長さの目安を知ることができます。
→そのジャーナルは、どのような査読を行うか明白ですか。

岡山大学契約データベース

岡山大学が契約しているデータベースの一覧。ジャーナルが普段利用しているデータベースに登録されているかも、一つの指標になります。
→論文はあなたの選んだサービスの中で、きちんと索引されていますか。

「偽」のジャーナルサイトに注意!

実在するジャーナルの名を騙った”偽”のサイトが複数確認されています。これらのサイトは、実在の雑誌の刊行物名やISSNを騙り、論文を投稿させ、投稿者から論文掲載料をだまし取ることを意図しています。論文を投稿する際は、上記のチェックリストを確認する以外にも、ホームページのドメインやメールアドレスを確認するなど、十分お気をつけください。

参考情報