岡山大学出版会

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現代公共政策のフロンティア

現代公共政策のフロンティア

監修:荒木 勝
A5判 356ページ
定価: 1,222円(本体1,111円+税10%)
ISBN: 978-4-904228-46-3

概要

岡山大学版教科書。現在、わが国の地方自治体や地域、都市では多種・多様な諸問題に直面しています。このため、「まちづくり」や「地域づくり」のための政策論議をするためには、従来のような経済学や法学の枠組みのみの議論では不十分です。地域包括医療ケアを支える地域共同体の形成を想起するだけでもこのことは明らかです。
本教科書の最大の特徴は、学際的な観点から、理論的知識を整理し、地域の現実が抱える具体的な問題の解決を念頭に入れながら、その課題の現代的意義について分かりやすく解説したことです。内容の多くは、「岡山県議会公共政策セミナー」などの講演と地域創生ネットワーク・アゴラでの議論をベースにしています

目次

はしがき

第1章 公共政策の論理 平野 正樹
求められる「選択と集中」の視点、財政の三機能とは、わが国の行財政制度の仕組みと特徴、
今後の公共政策論を考えるうえでのポイント、参考文献(以下、各章末)

第2章 公共支出と最適負担に関する意識調査 平野 正樹・小曳 真於
なぜ岡山県を取り上げるのか、アンケート調査結果とその解釈、 アンケート調査結果のまとめ

第3章 地域振興と経済循環 中村良平
地域経済の自立と経済循環、地域経済構造分析:入門、地域 経済構造分析:展開、地域産業連関表、地域ポートフォリオ分析

第4章 地方教育行政と首長の権限 中富公一
大津市いじめ自殺事件にみる担任の問題点、大津市いじめ自殺 事件にみる学校の問題点、大津市いじめ自殺事件にみる教育委員会の問題点、大津市第三者委員会の提言、教育委員会の仕組み、趣旨、権限、大阪府教育基本条例案の検討、教育再生実行会議の提言、中教審答申の提言、地方教育行政法改正案 の処方箋、いじめ防止のためのチェック体制

第5章 地方議会と二元代表制 小畑 隆資
岡山県議会基本条例の骨格(議会の責任)、「議決責任」とは、 議会と知事との関係(二元代表制とは)、今なぜ「議会基本条例」 か

第6章 中・四国地方における地域間の関係性 北川 博史
地域システムの概念と研究の射程、都市システム論の動向、日本の地域システムの特徴と再編、
中・四国地方における地域的都市システムの動態

第7章 プライバシー・個人情報保護の動向と現代的課題 中村 誠
プライバシー権の成立と展開、個人情報保護法制の設立、住基ネット、マイナンバー(社会保障・税の共通番号)とプライバシー、
パーソナルデータの活用、個人情報の活用と保護

第8章 これからの医療と介護を考える 浜田 淳
長寿の時代をどう生きるか、消費税と社会保障、これからの医療・介護(地域医療構想と地域包括ケア)

第9章 現代コミュニティと地域経済 三村 聡
現代社会の課題、地域経済とまちづくり、企業ノウハウの現代コミュ ニティへの応用

第10章 地域づくりとソーシャル・キャピタル 千田 俊樹
なぜソーシャル・キャピタルに注目するのか、ソーシャル・キャピタル が住民ハッピネスを高めるメカニズム、
ソーシャル・キャピタル形成、蓄積のメカニズム、ソーシャル・キャピタルを活かしたこれからの地域づくりへの課題

第11章 フランスにおける学都創成 岩淵 泰
大学まちづくり論、フランスの学都形成、ストラスブールにおける学 都形成

第12章 ポートランドのまちづくり物語 スティーブ・ジョンソン&岩淵 泰
ポートランドはどんな町なのか、ポートランドのまちづくり物語、コミュニティ・ガバナンスに向けて、グリーンインフラのまちづくり

索 引