岡山大学出版会

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外傷後悲憤障害

外傷後悲憤障害

編著者:Michael Linden, Max Rotter, Kai Baumann, & Barbara Lieberei
監訳:安藤 美華代
A5判 162ページ
定価: 1,629円(本体1,481円+税10%)
ISBN: 978-4-904228-36-4

概要

本書には近年欧米で注目されつつある,ウィズダム・サイコロジー(Wisdom Psychology),ウィズダムセラピー(Wisdom therapy)をテーマとしたワークショップに参加した際に出会いました。 これは,人生における難問や解決不可能な状況に対処するスキルや力としての「ウィズダム」に着目し,新しい見方や考え方を身につけることで「ウィズダム」を培うこと をめざす新しい心理療法として発展してきました。この新しい心理療法を用いることで,従来の心理療法では取り扱いが難しかった問題にも,アプローチが可能になりました。この考え方やアプローチは,社会経済の複雑な変化や様々な災害を体験し,安定しない環境で生活するなかで,人間関係の葛藤,いじめ,対人暴力といった攻撃行動,喫煙・過剰飲酒といった生活習慣,不登校・ひきこもり,抑うつ,過剰不安等様々な心理・行動上の問題が,憂慮すべき状況にある日本においても応用可能ではないかと考えました。本書が,人生における難問を抱えたり,解決不可能な状況に遭遇したりした ときの人間心理を理解するのに役立つことを願っています。

目次

目次
序文
表一覧
図一覧
1.  PTED の成り立ち
1.1  ストレスとライフイベントに対する反応
1.2  適応障害と反応性障害
1.3  外傷後悲憤障害(PTED)
1.4  基本的信念とPTED
1.5  ウィズダムと外傷後悲憤障害(PTED)
2. 実証的研究
2.1  PTED とは
2.2  PTED の診断面接と診断基準
2.3  PTED スケール
2.4  PTED の実態
2.5  PTED におけるウィズダムの見立てとウィズダムトレーニング
3. 治療法
3.1  PTED のための認知行動療法
3.2  ウィズダムセラピー
3.3  事例報告
4.  引用文献
5.  参考資料
PTED スケール
PTED の診断面接法
PTED の半構造化面接法
ウィズダム評価面接ガイド
ウィズダムトレーニングの概要
訳注 「悲憤」及び「ウィズダム」について