岡山大学出版会

MENU

湖水爆発の謎を解く カメルーン・ニオス湖に挑んだ二〇年

湖水爆発の謎を解く カメルーン・ニオス湖に挑んだ20年

著者:日下部実
B6判 212ページ
定価: 943円(本体857円+税10%)
ISBN: 978-4-904228-12-8

概要

1986年、カメルーン共和国・ニオス湖から突如として大量のガスが噴き出し、住民1,746人と多数の家畜の命を奪いました。原因がはっきりしないまま様々な説が流布し、著者にもこの災害の調査依頼が舞い込みます。
本書は、著者を含む世界中の科学者達が、この前代未聞の自然災害をどのように捉え、いかに原因解明に取り組んだかの記録であり、日本の海外援助のあり方、そして次世代を担う若者へのメッセージが 込められています。

目次

はじめに
第1章 ニオス湖ガス災害
第2章 ニオス湖で何が起こったか
  2-1 初めてのカメルーンと国際緊急援助隊
    ◇囲み記事1 国際緊急援助隊
  2-2 カメルーンという国
  2-3 現場へ出発
    ◇囲み記事2 カメルーンの官僚支配体制
  2-4 ニオス湖到着
  2-5 何が起こったのか
  2-6 マヌーン湖ガス災害
  2-7 NHK特集
第3章 1987年ニオス湖災害国際会議
第4章 カメルーン火山列
    ◇囲み記事3 西アフリカ沖の小島に極楽を見つけた!
    ◇囲み記事4 年代測定法
    ◇囲み記事5 マントルと地殻の地球化学
第5章 ニオス湖の特異な化学組成と成層構造
  5-1 湖水の成層構造
  5-2 モニタリングの継続
  5-3 溶存二酸化炭素濃度の測定 - 定量法の開発 -
    5-3-1 シリンジ法
    5-3-2 pH法
    5-3-3 YY法
    ◇囲み記事6 Flute de Pan とYY法
  5-4 ニオス湖・マヌーン湖の水質の時間的変遷
  5-5 湖水中の溶存二酸化炭素の蓄積
  5-6 溶存二酸化炭素の起源
第6章 湖水爆発の引き金は?
第7章 ニオス湖・マヌーン湖ガス抜き計画(NMDP)
  7-1 NMDPの誕生と資金調達
    ◇囲み記事7 顔の見えないODA
  7-2 ガス抜きパイプ
  7-3 ガス抜きの効果
    ◇囲み記事8 サイエンス・アイ
第8章 湖水爆発の反復性と伝承
  8-1 コム族にまつわる話
  8-2 オク族にまつわる話
    ◇囲み記事9 湖に棲む精霊
第9章 湖水爆発は日本で起きるか
第10章 ニオス湖ダムは決壊するか? - 二重苦のニオス湖 -
第11章 発展途上国の抱える問題
    ◇囲み記事10 カウンターパートの育成
おわりに
参考文献
索引