岡山大学出版会

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フロイトと心の劇場

フロイトと心の劇場

著:金関 猛
四六判 218ページ
定価: 1,815円(本体1,650円+税10%)
ISBN: 978-4-904228-64-7

概要

フロイトの思索に内在する演劇論。精神分析に照射される人の心の劇場的構造。「我らはつねに演技をなす。それを知る者こそが賢明なのだ」(シュニッツラー)
幾重にも重なり合い、内的に絡み合う精神分析と演劇について考察することにより、新たな知見を得ることができる書です。

目次

はじめに

第一章 フロイトと演劇
  一.「舞台上の精神病質の登場人物」
  二.フロイトと演劇
  三.フロイトとウィーンの劇作家

第二章 カタルシス
  一.カタルシス法とその成り立ち
  二.アンナ・O/ベルタ・パッペンハイム
  三.ヤーコプ・ベルナイス
  四.ベルナイスとニーチェ
  五.シャーマニズム
  六.サイコドラマ

第三章 演技と同一化
  一.遊びと演技
  二.ヒステリーと同一化
  三.ヒステリー症状と演技
  四.スタニスラフスキー・システムとリー・ストラスバークのメソッド
  五.メソッドと感情記憶
  六.メソッドとカタルシス法
  七.「私的劇場」

第四章 演劇的幻想
  一.演劇的幻想とパラノイア的妄想
  二.ベルトルト・ブレヒト
  三.アントナン・アルトー

第五章 夢と演劇
  一.『悲劇の誕生』とフロイト
  二.循環する夢と演劇
  三.「別の舞台」
  四.演劇としての夢

第六章 フロイトの芸術観
  一.「秘セズバ花ナルベカラズ」
  二.ヘルマン・バール『別の女』
  三.フロイトとシュニッツラー
  四.『パラケルスス』
  五.夢と現実
  六.シュニッツラーのフロイト受容

第七章 演劇的葛藤
  一.演劇的葛藤
  二.フロイト精神分析における葛藤
  三.演劇と人間

あとがき

参考文献